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zoom RSS 増加する高齢者の政治的影響力の問題点

<<   作成日時 : 2008/11/14 00:09   >>

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私の思っていたことを文章化してくれたのがまさしくこれ!!
ブックマークに入れておきます。

格差と希望―誰が損をしているか?
筑摩書房
大竹 文雄

ユーザレビュー:
たかが経済と言える時 ...
こういうスタイルの本 ...
長期的且つ広範囲な視 ...
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http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20070404/p1
現在の世代別投票率が続く限り「高齢者のほうを向いた政策」は終わらない


 

 国や地方自治体の政策を「時代遅れ」「老害」「年寄りの顔色ばかり窺っている」と呼ぶ人をネット界隈では大勢みかける。2chでもブログ界隈でもmixiでも、「政治家と官僚は若年〜壮年世代の未来を食いつぶすつもりか?」「時代に追随出来ない、ぼけた政策を改めろ」などなど、批判的な事を書いている人はどこにでも転がっていて、若年世代の鬱憤のようなものを感じずにはいられない。

 

 彼らの批判をよく観察してみると、時折、“民主主義”という語句を用いて為政者批判を行っている人もいる。しかし民主主義における為政者・被選挙者というものは有権者の意見を汲み取って政策に反映させる筈のものなわけで、だとしたら現在の日本の政治状況は必ずしも民主主義の理念に反してはいないように思える。現状においては、「高齢者のほうを向いた政策傾向」を為政者が持っていたとしても、あんまり文句が言いづらいんじゃないだろうか。そこら辺についてちょっとだけ書いてみる。

 

有権者とは誰なのか?為政者は誰の顔色を窺っているのか?
 

 そもそも有権者とは誰のことで、為政者は誰の顔色を窺いながら政をやっているのだろうか?有権者とは、投票する人である。そして選挙においては、投票した人である。そこら辺をちょっと考えれば、若年世代の意見が相対的に軽視されやすく、為政者の声が老年世代重視の、年寄りにも咀嚼しやすい内容になるのが当然だという結論に達せざるを得ない。以下に、2003年の第43回衆議院議員選挙の際に、年代別有権者数と投票数を示してみる(引用:財団法人明るい選挙推進委員会、http://www.akaruisenkyo.or.jp/various/09/index.html)。

 



 

 ご覧の通り、有権者人口だけを比較するなら、20代〜40代と50代〜70代の人数はそれほど大きく違わない。しかし投票率が大きく違うせいで、(被投票者からの)見かけ上、有権者の声の大きさは老年世代のほうが大きなものになる。私の記憶する限り、この傾向は第43回衆議院議員選挙の時に限らず、大抵の国政・地方選挙についてもみられた筈だ。比較として20代〜40代と50代〜70代の投票数・有権者数を表にすると、

 

世代 実際の投票数 本来の有権者数
20代〜40代 69256 137677
50代〜70代 104249 140548

 

 投票所で観測される見かけ上の声の大きさは、世代間で区切るとこんなにも違っている。今回は除外しているものの、80代の投票数を加えればもうちょっと年寄りの声は大きくなる。この数をみる限り、若い世代の声は老年世代の声よりも三割ばかり軽視されても不思議ではない。というか、民意の反映という点ではそれぐらいが適切なぐらいかもしれない。

 

 この国の政治体制が民主主義を標榜する以上、より多くの有権者の声を汲むのが為政者の務めだし、そのプロセスとして選挙は重要な役割を担っているわけで、その選挙においてこれだけ声の違いがあるとしたら、為政者としてはより人数の多いほうを向いた政策を*1選択する頻度が高くなるだろう。また、たくさんの票を投じてくれる世代の有権者がわかりやすく納得できそうな政治に傾くだろう。そう考えると、現在の世代間投票率格差のある限り、「年寄り向きっぽい」「年寄りが納得しやすい」政策決定に(相対的にとはいえ)傾くのは民主主義的には案外妥当性の高いことのようにみえる。実際の施策は「老人医療費カット」なども含めて若年者の将来に配慮した内容を含んではいるし、お年寄りが若年者の事を一切考えていないわけでもないわけだけど、施策がやや老年有権者向きに傾いていたとしても投票を通した民意の反映という点では不思議ではないどころか、いっそ正統なものの筈なのだ。

 

 よって、「民意の反映」「民主主義」という言葉を持ち出して「年寄りびいき」「時代遅れの政策」と批判するのはかなり見当違いではないかと私には思える。無論、ネットにまつわる政策にしても、幾ら年寄りに分かりにくくても早急に対処したほうがよさげな問題というのはあって、そういった問題を年寄りに適切に意識づけ出来ていないのは為政者側の責任には違いないにせよ、為政者がどちらかと言えば年寄りに耳を傾け、年寄り向けの政治を行う事自体は、投票を通した民主主義を守るという観点からみれば至極尤もなことのような気がするのだ。「為政者達は老人の顔色ばかりみている」という表現だといかにも胡散臭いけれども、「為政者達は投票者の顔色ばかりみている」となれば、ほら、なんとなく正当性があるように見える。そして現実の投票数を世代別にみる限り、老人の声と顔色に若干の重点が置かれることに、不当性は無いようにしか私にはみえないのだ。民意を酌む、という観点に関する限り、では。

 

若年世代がどうすべきかはとうにわかっているが…
 

 ネット上や2ch上で“為政者の首をもうちょっと若年者に向けるにはどうすれば良いのか”と憂いてみせている若き愛国者諸氏への民主的な模範解答としては、若年者がとにかく投票するしかない、というものになるだろうし、ここまで読んだ人ならそれぐらいは分かっているのだろう。例として極論をあげるなら、20代〜40代の投票率が95%になって、50代〜70代の投票率が5%になった時、為政者はこぞって若年世代を意識した政策決定をせざるを得なくなるし、それでもなお老年世代を贔屓する為政者は(選挙を通じて)速やかに淘汰される、という具合だ。そこまで極端にならなくても、高齢世代より若年世代のほうが投票数で上回るぐらいになれば、為政者は今よりは若年世代に配慮した政治をやらざるを得ない。

 

 誰に投票するのか・どこの政党が勝つのかという点が選挙では重要だ。しかしそれ以前の段階として、「投票者に占める世代層の割合がどれぐらいなのか」も(政党や当選者の如何とはまた別個に)政策に影響を与える政治的ファクターになることを忘れるわけにはいかない。どこが与党になろうが誰が知事になろうが、投票者の世代別パーセンテージはそれ自体が世代の声の大きさに直結するし、政策にも反映されざるを得ない。「誰に投票したのか」「誰が当選したのか」が政策に直結するにせよ、「どの世代の声が大きいのか」「どの世代の顔色をみれば当選しやすいのか」というファクターは誰が当選しようとも間接的ながらも確実に政治に影響を与えることを忘れてはならない。だから無党派だろうが、政治に興味がなかろうが、投票所に行って白紙でもいいから若年者が投票を行うという行為にはそれ自体一定の政治的ニュアンスが含まれているし、2chのすみっこで「老害老害」と喚いている暇があったら、同世代の友人知人を一人でも多く投票に誘うってもんだろう。

 

 例えばもし、20代〜40代の投票率が80%になっていたらどうなるのか?下のグラフは、上段が第四十三回衆議院議員選挙の現実、下段は20代〜40代が投票率80%になったと仮定した場合のグラフである。

 



 

 形勢逆転。

 もしこんな事になったら、為政者達は今までよりは若年世代寄りの政治に傾かざるを得ないし、そうでない被選挙者は(今までよりは)淘汰されやすくなってしまうだろう。ここまで極端な投票率上昇は難しいし、若年者の多い都市部と老人の多い地方の「一票の格差問題」もあるので一概には言えないものの、被選挙者達は若年層の顔色を今まで以上に窺うことになること間違いない。マニフェストの内容も実際の政策も、世代の声の大きさによって質的変化を(ある程度にせよ)遂げざるを得ない。

 

 誰に投票しろとか、どこの政党を応援しろとは言わない。けれども、自分達の世代が必要としている施策を少しでも増やす一助としては、とりあえず投票所に行く必要があるということは覚えておいたほうがいいんじゃないかと思う。一票を投じる価値のある候補者がゼロの選挙で白紙投票の場合でさえ、“20代の声の大きさはこれぐらいですよ”という世代的な政治的ニュアンスには寄与出来るし、それはそれで十分政治参加と言える筈だ。よもや、ネットの隅っこで“老害政治”を憂いてみせる人達が選挙には行かないなどという事はないだろうけれど、自分の世代の声を少しでも政治に反映させようと思う若年者は、同世代の人間を一人でも多く投票に参加するよう呼びかけるってものだろう。そしてそれこそが、民主的な政治体制下においては最も正当な手続きに違いないし、世代別投票率の格差を埋めない限りは「高齢者のほうを向いた政策傾向」は終わらないだろう。

 

※選挙とかに詳しい人は、この辺りをどう思ってどう解説するのかみてみたいです。

 



http://blog.smiley-mom.jp/?eid=681001
2008.10.24 Friday
子育て支援政策と投票率
author : 代表取締役 スマイリー杉山
 最近出た週刊東洋経済の見出しが「家族崩壊」という目を引くものだったので購入して読んでいます。

 経済を見る眼という大阪大学教授 大竹氏のコラムで「子供の数だけ投票権を」という面白い視点のものがありました。

 選挙で投票率や投票数が大きい母体が政策に対して影響力を持つという理論があるようです。少子高齢者社会が進む中で、高齢者が大きな影響力を持つことは明白です。高齢者が望むことは、年金の安定した運用や医療費の軽減などです。

 一方少子化が社会問題化されている中で様々な政策が望まれ、子育て世代が望むことは出産費用の軽減や教育費の抑制、働きながら子育てができる環境などあります。

 今まで様々な施策が実行されてきていますが結果から見ると少子化の進行を少しもとめるとことは出来ていません。社会保障費や現在の金融問題にかけている規模感が少子化対策には感じられません。

 話を投票率との関連にもどしますと、今後高齢者とよばる人たちは団塊の世代です。紙面でも言及していますがデータを見てみると今60代の人たちの投票率は、いずれも70%を超える高い数値で推移しています。

 それでは、他の年代はどうかというと若い世代になればなるほど投票率が下がってくるのが明確にわかります。

 60代の人は、世代人口も投票率も高いので当然世論として政治の世界に届きやすくなり、政治家も強力な支持者と考えてその世代の声を無視できなくなります。

 一方、子育て支援を必要とする世代は人口も減少してきている上に投票率まで低いという話になれば、少数派の意見ということになってしまいます。

 コラムの中で大竹氏は、子育て世代の人たちの声を政治の成果に届ける仕組みとして、子供の数だけ親に選挙権を与えてみるというアイディアで括っているが考えたこともない視点で新鮮でした。

 しかし、いずれにしろ投票率を上げるなければ始まらないと思います。どうせ変わらないからと投票しなければ何も変化しません。ある意味それは、現状で満足しているととらえられてみても仕方がありません。投票率が上がって初めて、世代間のギャップを埋める仕組みができたり、政治家にとってこの人たちの声は無視できないなと思わせるしかないのではないしょうか。
 
 投票率も視点を変えてみると面白いものですね。

<参考>
衆議院議員選挙の年齢別投票率の推移(財団法人 あかるい選挙推進協会)のデータ

★60代の投票率推移
昭和42年 66.69%
昭和51年 77.41%
昭和61年 77.97%
平成8年 70.61%
平成17年 83.08%

★40代の投票率推移
昭和51年 63.50%
昭和61年 72.15%
平成8年  65.46%
平成17年 77.86%

★30代の投票率推移
昭和61年 56.86%
平成8年  57.49%
平成17年 71.94%

http://www.glocom.org/sum_ja/past_heigh/indexj081024.html

Opinion:
「増加する高齢者の政治的影響力の問題点」
大竹文雄 (大阪大学教授)
大竹教授は英語の論文(以下のリンク参照)において、まず日本ではこのところ、高齢者にかかわる年金問題や医療保険問題が政治を左右するようになり、次の総選挙の争点にもなっていることを指摘する。
この背景には、日本の急速な高齢化があり、しかも有権者に占める高齢者の割合が急上昇している上に、高齢者のほうが若年者よりも投票率が高いので、高齢者の政治力が急速に強くなっていることがある。その結果、高齢者が望む政策に対する支出が増える傾向がある。例えば、高齢者が社会保障の増加を望み、義務教育の増加を望まなければ、前者に対する政府の支出が増えて、後者に対する政府の支出は減るであろう。
実際に、最近公表された統計によると、1990年以前は、40歳代から60歳代の年齢層の投票率は80%以上と高く、30歳代の投票率がそれに次いで70%を超え、最も低い20歳代でも60%前後の投票率があった。70歳代の投票率は、70%前後で推移していたのである。しかし、90年以降、20歳代と30歳代の投票率が大きく低下し、40%から50%程度に落ち込んでしまった。ところが、60歳代以上の年齢層の投票率は、80%前後を保っているのである。
つまり、団塊世代が政治で一番大きな力を持っており、その世代が60歳代に入ってきたので、高齢者の政治力は高まる一方である。したがって、高齢者層が若年世代や将来世代にツケを回す政策を推す結果として、そのような政策が採用されてしまうバイアスを防ぐ仕組みをつくらなければならない。例えば、未成年の子供を持つ親に、子供の数に比例して投票権を与えるといった工夫が必要であると、大竹教授は主張する。

英語の原文: On Increasing Political Power of Senior Voters in Japan
http://www.glocom.org/opinions/essays/20081024_ohtake_on/


October 24, 2008


On Increasing Political Power of Senior Voters in Japan
Fumio Ohtake (Professor, Osaka University)


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These days more and more political issues are being related to senior citizens such as the problem of "vanishing public pension" in 2007. This particular problem triggered a political change leading to the loss of the majority of the ruling coalition in the upper house and the deadlock situation in the Diet with the lower house still controlled by the ruling coalition. In April, 2008, the medical care system for senior citizens 75 or older took effect, but turned out to be so unpopular that then prime minister Fukuda lost his public support significantly, leading to his abrupt resignation in September. In other words, Japanese politics seems to be crucially dependent on those issues that are directly involving senior citizens such as public pension and medical care. In fact, these are the key issues in the upcoming general election as well.

Behind this phenomenon, there is the trend of a rapidly aging society, where the proportion of senior people in all voters is rising sharply and, furthermore, the voting rate is higher among the elderly than young people. As a result, older generations tend to have relatively strong political power, enabling them to have their preferences reflected in policymaking more easily than younger generations. The standard framework in political economic analysis has it that, according to the "median voter theory," optimum public expenditure can be determined by the preferences of the median voter. In Japan, the median voter has been aging, and more public expenditure tends to be geared to senior citizens accordingly. If, for example, older generations prefer more spending in social security, but not in compulsory education, then public expenditure in social security tends to increase, while that in education tends to decrease.

In addition, the fact that older generations have higher voting rates than young generation means that the median voter will be aging faster than the speed of demographic aging process in Japan. Let us confirm this tendency with some data below.

According to a published study on voting rates by age bracket, it used to be that the voting rates were highest, above 80%, among voters in their 40s through 60s, followed by 70% for the 30s, and the lowest being 60% for the 20s, before 1990. The voting rate for the elderly in their 70s was around 70% all along. Since 1990, however, the voting rates among young people in the 20s and the 30s have declined sharply, going down to 40-50% or so. On the other hand, about 80% is the voting rate of elderly people above 60 years old these days.

The declining voting rates among young working generations have led to the faster aging speed of voters than the pure effect of aging population in Japan. In fact, before 1980, younger generations below 39 years old had the highest weight among all voters. However, in 1980s and 90s, the highest weight shifted to older generations of the 40s and the 50s, and further to the age of 60 and older since 2003.

In other words, the "dankai" (baby boomer) generation has been politically most powerful as voters all along. It seems that the dankai generation has been trying to maintain its distinctly high voting rate, precisely because they know that they are the most populous and thus the most influential generation in politics. As this generation is now entering into the 60s, the median age of voters, currently around the mid-50s, will soon reach and surpass 60 years old.

In view of this ever-increasing political power among older population, it is important to develop a system that can prevent policy biases in favor of the elderly, who could shift fiscal burden onto younger or future generations. One such idea may be to give more political power to the parents of children under 20 years old, for instance, by allocating voting rights in proportion to the number of children that they have.

(The original Japanese article appeared in the October 25, 2008 issue of Weekly Toyo Keizai)

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